絵を描く順番はどこからが正解?イラストの描き方をプロが解説

こんにちは。
イラストレーターのたかふじ なおとです。

イラストレーターをやっていると、初心者の方から

「どこから描き始めるのが正解なんですか?」とか

「どう描いていくのが正解なんですか?」

と質問されることがよくあります。

こんな疑問は、絵を描くなら誰もが一度は考えることだと思います。

では、その「絵を描く順番」について解説して行きましょう。

絵を描く順番を4ステップで解説

絵というものは人物画、風景画、静物画など色々ありますが、ここではわかりやすい例として人物画で話を進めます。

人物を描く時に、頭から描けばいいのか、体から描けばいいのかで迷っているという話をよく聞きますし、そういう質問をよくされます。

この質問に関しての答えはひとつで、

どこから描いてもOK

なんです。

絵においては大事なのは完成形であって、経過はどのような形でもいいんですね。

ただ。

この質問は絵を描くにおいての後半部分の話で、実は描画の手前の段階の方がそれ以上に大事になります。

絵を描く順番は大きく言うと以下の4つに分かれます。

  1. 全体をイメージ
  2. ラフを描く
  3. 下描き
  4. 清書

先程の質問は、3以降の話なんです。

1と2の段階をしっかり構築することの方が、絵を描くにおいては重要になってきます。

詳しく解説して行きましょう。

まずは全体像をイメージする

まず最初にすることとして、どういう絵を描きたいかをイメージしてみましょう。

絵を完成させるための大まかなゴール設定ですね。

これをしなければ何も始まりません。

目的地もなしに出かけても、ゴールがなければ目的地にたどり着きようがありませんよね。


ここはあくまでイメージなので、ざっくりとで構いませんが、大まかな方向性だけは決めて行きましょう。

例えば都心に出かけたいと思った時に、買い物に行きたいのか、観光に行きたいかで行き先は変わります。

その絞り込みの第一段階が、この「イメージ」なわけですね。

この段階でイメージが具体的であればあるほど後の作業が楽になりますが、そこは慣れが必要なところでもありますので、先述の通りざっくりで構いません。

ラフ画を描く

ラフとは、言わば設計図に相当するものです。

イメージが決まったら、紙でもクリスタでも何でもいいので、そのイメージを書き出しましょう。


意外に思われるかも知れませんが、実はここが一番肝心な段階です。

何故なら、ここがいわゆる「0→1」に相当する部分、すなわち「何もないところから何かを生み出す」段階だからです。

イメージだけなら簡単ですが、そのイメージをイメージ通りに描くのは決して簡単ではありません。

ゆえに、絵を描くのに慣れてない人には、ここが一番ハードルが高いところと言えます。

頭の中にあるものをアウトプットするには訓練が必要で、絵が苦手と言う人はこの作業のための道筋が出来上がっていないんですね。

これを解消する方法は、身もフタもないんですが、ひたすら訓練するしかありません。

はい、訓練しかないんです。

納得の行くものができるまで、何度でもやり直しましょう。

ちゃんとしたものでなくていいんです。ラフなので。

そうやってアウトプットの訓練を重ねていきましょう。

こればっかりは近道やチートなどは存在しません。

すいません。

「何もないところから新たに何かを生み出す第一歩」なのですから、簡単な道があるわけないんです。

ないんですが…

効率の良い訓練法というのは存在します。

それが「模写」なんですね。

慣れないうちは好きな作家さんのマネをしてみるのがオススメです。

人のマネなんて・・・と思う人がいるかもしれませんが、初心者が先達の技術のお世話になることは、恥ずかしいどころかそれを経験せずに初心者が絵を上達させるのはほぼ不可能と言っても過言ではないくらいです。
それほどに模写というのは絵の上達に重要なんですね。

構図取りを真似てみたり、キャラの表情や画面の雰囲気を追従するというのは、とても勉強になるものです。

ただし、あくまで練習の一環としてオフラインで行なうか、模写であることや見本があることを明記するなど、お手本になった作品と作者への失礼がないよう、リスペクトの気持ちを忘れないようにしましょう。

下描き(細部を描き込んでいく)

ラフができたら、それに従って下描きします。


下描きはラフと清書の橋渡しなので、完成の状態をイメージしながら作業を進めましょう。

構想段階から完成までがつながっていることを意識するのが肝心です。

清書(ペン入れ/色を塗る)

下描きに従って清書します。

ペン入れを進めて行き、モノクロであればベタとハーフトーンの部分の処理、カラーであれば色塗りを進めていきます。

どこまで描き込めば完成とするかは自分次第ですから、好きなところまで描いていきましょう。

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ところで、ここまで来てこの一連の流れに とある法則 があることに気付きましたか?

それは「全体から入って細部に移行していく」ということです。

最初に細部から入ってしまうと、もしそれが終盤でおかしいことに気付いた時に全部を修正しないといけなくなるなど、とても効率が悪くなります。

バランスなどを見る時はまず全体から、というのは絵を描くにおいての鉄則です。

実はこれは絵に限らず何か物を作る時、何か物を見る時など、物事すべてに共通した話なんですね。

失敗を繰り返して回り道をするのも勉強になることが多いので決して悪くはないんですが、それが勉強になったと実感できるようになるにはそれなりの経験と時間が必要になりますから、初めのうちはマニュアルを効率的に進めることの方が無難だと言えるでしょう。

イラスト初心者は何から描き始めればいい?

訓練するにあたり、何を描くのがより早く上達につながるかに悩む人もいるかと思います。

結論から言うと、好きなもの、興味があるものを描きましょう。

というのは、何事もそうなのですが、初心者であればあるほど訓練には「楽しめる要素」を盛り込む必要があります。

上達の早道を探すあまりに苦行を選択してしまうと、上手く行かずに挫折するなんてことにもなりかねません。

それを避けるためにも、訓練を楽しくするのはとても大事なことなんですね。

その意味でも、先述の「模写」はとても良い訓練法なんです。

こんな絵を描けるようになりたい!と思っている憧れの作家さんや好きな作家さんの真似をすることは、初心者であればあるほど学びは大きくなります。

慣れてくると自分で考えて描くようになるわけですが、はじめは顔ばかりになったり、しかもその顔が画面の左を向いたものしかなかったり、上半身ばかりなんてことになる人も多いと思います。

でもそれが気になるようになるまでは思う通りにひたすら描きまくって構いません。

「左向き顔ばかりだな」とか「上半身ばかりだな」と自分で感じたその時に次のステップに進みましょう。

それともうひとつ大事なことがあります。

それは、「毎日描く」ことです。

実はこれは何を描くか以上に大事なことで、継続を力にするために極めて重要な話なんですね。

プロでも休めば腕が鈍りますから、初心者であればなおさらです。

上達を一時のものにしないためにも、毎日の練習は欠かさないようにしましょう。

描き続けても上手くならない時はどうしたらいい?

練習を続けていくと、自分の上達具合がわからない、または上達が止まっているのでは?と感じる時があります。

ひたすら描けば上手くなるかと言うと、実はそうではありません。

漫然と練習を重ねても、それは目的地を決めずに歩いているようなものですから、それでは目的地には着きようがありませんよね。

目的地、この場合は「課題のクリア」がそれにあたります。

「○○を描けるようになる」といった課題を設定して、それをクリアできる方向で練習を重ねていきましょう。

しかし、その課題の設定の仕方がわからないという人も多いと思います。

そんな時に一番手っ取り早いのは、「上級者に教わること」です。

身近に上級者がいればその人に、そういう人がいない場合はその手の講座を受講するか、その手の動画を見て勉強するのがいいでしょう。

ただ、できれば個別で対応してくれるところが望ましいですね。

個別でというのはマンツーマンでということではなく、その人の段階に合った指導をしてくれるという意味です。

人のレベルも上達具合も人それぞれですから、それに合わせた指導を受けられるかどうかはかなり重要です。

あと、非常に大事なこととして覚えておいて欲しいのは、

「絵の上達具合は階段状である」

ということです。

こんなに練習してるのにどうして上手くならないんだろう?

という気持ちになり、途中で挫折してしまったなんてことはホントによく聞く話です。

実に不思議な話なんですが、絵の上達は通常の物事の上達具合のような右上がりの直線ではなく、階段状なんです。

こんな感じ。


昨日までずっと練習してもできなかったことが今日いきなり出来るようになる、そんな感じです。

RPGのレベルアップに似てますね。

さっきまで使えなかった魔法が、レベルアップしたことで突然使えるようになる、みたいな。

ウソみたいな話ですが、頑張ってるとホントに突然に来るんですよ。そんな日が。

この「絵描きの階段状成長説」は色んな先生方が同じことを言われてます。

詳しい解説は避けますが、そのようなものなんだとまずは認識して、その「ある日いきなり」がくるまで頑張りましょう。

そしてその「ある日いきなり」を何回経験できるかにチャレンジすることを今後のあなたの目標にしていって欲しいです。

絵を描く順番に関するQ&A

絵を描く順番に関するよくある質問は次の通り。

それぞれの質問に答えます。

アナログで絵を描く順番は?

アナログでもデジタルでも絵を描く順番は同じで、

イメージ→ラフ→下描き→清書

となります。

デジタルとアナログでやり方が変わると思う人もいるかもしれませんが、デジタルは鉛筆がタブペンに変わっただけのようなものですから、やり方自体には違いはありません。

「デジタル絵はずるい」と思われるのはなぜ?

デジタルにはコピペを初めとした省力化技術や、アナログでは技術と手間と時間がかかるエフェクトを簡単に再現できる機能など、「様々な高等技術をソフトが補ってくれる」という大きなメリットがあります。

それゆえに、省力化を手抜きと捉えてしまったり、技術を習得していないのにその技術が使えてしまうため、それをずるいと感じる人がいるということですね。

ただし、デジタルはデジタルでアナログにはない別のスキルが必要になり、アナログとは違った手間暇がかかってくるので、一つの事柄だけで評価せず、総合的な面で見ていくことが必要と言えるでしょう。

イラストでラフが描けないときの対処法は?

初心者の場合、ラフが描けないのは絵を描くための引き出しが少ないことが原因です。

引き出しを増やすために、お手本となるものを見まくりましょう。

ただ漫然と見るのでもいいのですが(潜在的に感覚が刺激されるため)、なるべくそこからヒントを掴み取る気持ちで見ることが望ましいです。

まとめ:絵を描く順番は最初に全体像をイメージすることから

絵を描く順番の流れは、

  1. 全体をイメージ
  2. ラフを描く
  3. 下描き
  4. 清書

となります。 

始めるにあたり、どこからでも何から描いても構いませんが、その前にまずは全体像のイメージをある程度固めることから始めましょう。

イメージが固まることで、その後の作業がスムーズになります。

もちろん、描いている途中で初めとは違うイメージが浮かんだので軌道修正、というのでも全然OKです。

微調整に微調整を重ねることも何の問題もありません。

それこそ、完成してしばらくしてから加筆修正なんてのもアリなんです。

もっとも、時間が経つと既に上達が進んでいて、加筆修正よりも描き直しの方がいいものができる、なんてこともあったりしますが。


本来、絵の描き方は自由です。

最終的に自分が納得できることが大事ですから、基本的な流れさえ押さえておけば、それ以外は気の済むやり方で気の済むところまで作業を重ねていきましょう。


閲覧ありがとうございます!お疲れさまでした!